胃がん告知 11/10

どうせ胃潰瘍だろう。本人も周囲も本気でそう思っていましたが、現実は実にCOOLなものです。いわゆるがん告知は非常にあっさり味。
医「うーん、切らなくちゃいけません」私「え?」医「うーん、がんなんです。だからきらなくちゃ」私「・・・」医「手術をうける病院をすぐに決めてください。セカンドオピニオンは希望しますか?
私「はい」医「じゃあ書類を用意します。うちで受けるにしろ他で受けるにしろ必ず連絡して下さい。また、三日以内に決めてください」私「はい」
よくみるとカーテンのむこうで若い看護師が3人ほどヒソヒソとこっちの様子を伺っている。おいおい、なんだその憐れみに満ちた目は!
その場では妙に冷静だったんだけど、会社への帰路の足取りが重い。後から精神的にくるタイプだったのかな。とりあえず上司に結果報告。向こうも現実味が無い様子。
上「え?冗談だろ?」私「いえ、ガンなんです、逸見さんとか堀江しのぶが逝ったタイプの奴で・・」上司の表情がかわる。
この人は何時もニコニコしていて最高にいい人なんだがマジになったときはデビルマンみたいな目になるからある意味解り易い。上「わかった、すぐ引継ぎしよう。いますぐ」
というわけで上司殿は、哀れかな部下の私の末端業務を兼務することに。本当にありがたい。おかげで入院先選定に集中できるんだから。
で、母親に電話。母「そうなの・・。はやく病院探しなさい」意外に冷静だ。この人は強い。上司命令ですぐに帰宅させられる。父親が血相を変えてまっていた。
父「どういうこっちゃ、説明しろ」私「かくかくしかじか」一同、意外に冷静です。いや、現実味がない、といったほうが正確かもしれない。